ウンブリア田舎便り オリーブオイルのおいしい生活 (文春文庫PLUS)

ウンブリア田舎便り オリーブオイルのおいしい生活 (文春文庫PLUS)

・とても面白い。オリーブオイルのことばかり書いてる本かと思って買ったんだけど、イタリアのウンブリアという田舎に住んでいる日本人女性の暮らしのエッセイだった。

・四季がある話って面白いなあって良く思う。冬には生ハムを仕込んだり、秋の終わりにオリーブを収穫して搾ってオイルにしたり。

・伝統って合理的だと思うんですよね。ずーっと同じやり方で余分なことをせずにシンプルに、季節に合わせて、食材を仕込む。それがずーっと続いてる、おばあちゃんのやり方で私もやってます、みたいな。そういうの素敵だなあ。

・合理的なことを知ってるから、遊び、が生まれるんだよね。無駄なことが、粋になる、っていう。

法隆寺とかの宮大工をやってる西岡さんの本を読んで『この人すげー!』ってわけわかんなくなったことあるんだけど、何が凄いって、何でそんなに『素材の特性を見抜いてるの?』ってことで。どんだけ木から学んだんだろうって。

http://www.1101.com/life/2005-07-05.html

・そういうのに憧れる。余計なことばかりしてきた俺は、もっと合理的になりたい。もっと物の本質を知ってみたい。

・だから、機能美、って言葉に弱いんだろうなあ。

・田舎料理ってずるいよね。何でみんな美味しい情報知ってるの?

・日本人だったら、醤油×みりん×だし、とか、そういう超美味しい組み合わせを知ってるけど、イタリアのことわからないよね。

・アンチョビとニンニクとオリーブオイルの組み合わせをあいつらイタリア人は隠してたんだぜ。

・バーニャカウダの美味しさを二十歳くらいで知った時、人生損してるなあって思った。あんなに美味しいのを僕はまだまだ知らない。

・フランス料理とかスペイン料理とか、人の数だけ料理があるもんね、ずるいよね、みんな美味しい組み合わせを知ってるんだよね。

・と、思ったので、それを中心に生きようと思ってる。物の本質を後天的に知りたい。

・自分の子供が産まれたら、わけわかんないほど色んなことを教えようと思った。小さい頃から色んなことを知るのはすばらしい。

・後天的に文化を学ぶのはまどろっこしいんだ、『歴史』とかを安易に語っちゃうから、裏付けばかり求めてしまうから。

・直感的に、好きな物は好きー、って言えると楽しいだろうな。俺は子供の頃、貧しかったから、努力で人生の喜びを学んでいったからなあ、たぶん、それでどっか常に冷めてるんだと思う、たぶんだけど。

・って、内田樹さんも言ってた。文化を見る目は後天的に獲得出来ない、って。そうだと思うねえ、実際に俺には見る目が無いから、知識でしか文化を知れないから。絵画とか、直感的に見るよりは、『この技術はすごい!』とかで感動するからねえ。

街場の現代思想 (文春文庫)

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