7月上旬の俺の思考
7月1日
・お客さんのところで、契約キャンセルしたい、と言われる。俺もそうするべきだと思っていたので、上司にお願いして受け入れさせていただく。
・入社したての頃は『とにかく売ってこい』って言われたので、どこにでも売りに行ってたけど、二年目の俺には、うちの商品がそのお客さんに取って本当に必要かどうか、わかる。
・『とにかく買いたいんです』って言われたらどんなお客さんにでも売るけどさ、かつかつの経営してる人に必要の無い商品は売りたくないんだ。もしかしたら、ってのもあるけどね、どんなお客さんでも成功する可能性はあるけどね、リスク高すぎる商品は売りたくない。
・だって、けっこう、倒産見てきたよ。無理矢理売ったところ、倒産したよ。
・この仕事の大嫌いなところは『目標まで10万円足りない』とかって時に、必要の無い商品を売りに行かなきゃいけないところ。俺、別に、目標達成なんてどうでもいいし。
・お客さんのニーズに応える、っていうのも大事、お客さん自身でさえ気付いていないニーズを引き出して答えるってのも大事なビジネス。でも、無理矢理ニーズを作り出すのはどうなんだろう。
・会社が継続していくには数字って凄く大事なんだけど、そりゃわかるんだけど、売り上げ伸ばさなきゃいけないのはわかるんだけど、給料もらってるんだけど、何のために継続するってところが一番大事だと思う。
・うちの会社って上が何を考えてるかさっぱりわからないもんね。だって、何も言ってくれないんだもの、偉い人たちは何のために仕事をやってるのかさっぱりわからない。
・事業って時間が経って大きくなると、システム化されると思うんですけど、そうすると『原点』って何かわからなくなるものなのかな。上の人たちが『僕らの仕事はこんな素敵なんだ!』って言ってくれたらなあ、週一のメルマガとかでもいいのに。
・たぶん、この事業を最初に思いついた人は、『これをやればみんなに喜んでもらえる!』とか考えたと思うんだよね、たぶん。俺が知りたいのはそこなんだけどなあ。
・上から降りてくるのは数字だけなんだよねえ。数字って結果と手段ですよね、目的じゃないよね。目標達成って目的じゃないよね。仕事の目的って人それぞれで何でもいいんだけど、夢の無い話は嫌だぜ。
・俺は楽しく仕事をしたいのです。楽しく仕事をするということは、『お客さんの笑顔を見れる』ということだと思うんです。そのためならしんどくてもかまわない、のに。
・うちの事業ってね、びっくりするくらい現場の声を無視して商品作るからね。うちの商品って、マーケットに対してものすごい影響力があると思う、なのに、なのに、何でお客さんのニーズを無視して、『女子会』とか言ってしまうんだろう・・・それ必要無いよね。俺らの商品ってターゲットを限定する必要無いはずなんだけどなあ、入り口は幅広くて良いと思うんだけどなあ。それか『R25』みたいにメインターゲットに付随してくるサブターゲットを取り込むっていうスタイル。だって、正直、値段高いよ、そんで、マーケットで一番力を持ってる媒体だよ、それなのにお客さんが求めていないニーズを一番にしてどうするんだ、誰が女子会を欲しがってるんだ、幅広くていいじゃないか、そして、実際に幅広く取れてるじゃないか。
・フリーペーパーは若い女の子にしか受け入れられない、って完全に嘘だもんね。こっちが勝手にそういう紙面作りしちゃったからだよね。
・ターゲットを想定してない仕事は失敗するもんだけど、俺は現場の声を聞かずに設定したターゲットを想定する方が失敗すると思います。
・ああ、長い。
・以上を一言で言うと、『数字以外で仕事を語ってくれ』ってことなんですけどね。そしたら、数字も大事!って考えられる。
・この人に買ってもらえたら凄く役に立てる!って思ったら俺はちゃんとやる子だよ。その人が俺らのことを大嫌いでも、それは誤解なんだ、あなたの役に立てるんだ、って思えたら粘る子だよ。
7月7日
・飲食業界の人って『集客は口コミが理想だよ!』ってみんな言うんだけど、口コミ対策してる人が全然いないのは何故なんだろうね。
・ホットペッパーとかぐるなびとか、結果を出そうとすると一ヶ月10万円くらいかかるんだよね。高すぎると思うんだ。新宿の頃は俺のお客さんの中に月50万円使ってる人とかいたしねえ。
・だってさ、口コミが最大の集客作戦っていうなら、もっと安く出来るよ。
・正直な話、ホットペッパーに良い店載ってないんですよね。情報に信頼感ってあんまり無いんですよね。
・広告マンとかお店の関係者が自分の店の評価文を書くよりも、その辺の全然知らない素人の人が書いた評価文の方が信頼出来るもんね。美味しいお店を探すなら食べログ見るよね。
・というか、ググるよね、例えば『新宿 人気 イタリアン』とか。
・その時にさ、ホットペッパーとぐるなびと自社サイトしか検索で出てこなかったら、チェーン店以外はがっかりするよね。
・消費者が欲しいのは生の声だもの。ブログだよね。たくさんのブログに書かれてた方が、お店に行ってみたい気持ち高まるよね。
・だから、お客さんに『このお店をブログやミクシィで紹介してくれた人に1000円チケットサービス!』とかやればいいのにね、ってずっと思ってた。だって、それだったら、10万あれば100個のブログに書いてもらえるんだぜ。
・そのブログを書いてもらう母数を確保するために、広告やるっていうならわかる。漫然と月に10万円とか超もったいないよね。
・でも、それをあんまり言うと、俺の成績が下がってしまうんだよね、売れなくなっちゃう。本当は広告なんて何回も何回もやるもんじゃないぜ。
・集客にお金なんて本当はかけなくてもいいのに。かけなくてもいいレベルに持って行くために広告費を出す、っていうならわかるのに。
・正直、ホットペッパーって大手チェーンのための広告紙だし。
・というようなことをたくさん知ってたり考えたりしてるので、自分で店を作っても大失敗しない自信がある。
・板前の弟が店を出す時に、弟に経営をさせたくないのはそれだ。料理人が店をやると大抵失敗するもんだ。潰れていく飲食店をよく見てきたよ。俺が経営してあげなきゃ。
・お金のかからない集客戦略をたくさん考えたりしてるんだけど、それが成功しちゃうと営業マンの俺はクビになるので、なかなかしゃべれない。でも、お客さんのことを考えると、アイデアを教えた方がいいのかしらねえ。
・うちの会社は『本当は必要無いのに、勝手に、無くてはならないものにしてマーケットをぶちこわす』っていうビジネスモデルが多いので、もしうちの会社がつぶれても、誰も悲しまないのではないかしら、って思ってしまう。
・創業者の本を読むと『市場の需要を読み取って必要な物を提供し、便利な世の中にする』っていうのがうちの会社の原点なはずなんだけどね。